めふきの苑
令和5年度
令和5年度計画で掲げた新型コロナの5類移行後の利用者活動については、感染対策を講じながらできる限りの活動拡大を図っていく取り組みでは、4月に小グループに分かれあすなろの里、ネーブルパーク、風土記の丘にお花見に出かけることができました。6月には2班に分かれ那珂湊で海鮮昼食を堪能し、大洗水族館でイルカショー等を楽しむことができました。8月には納涼祭における屋台やカラオケ、盆踊りを楽しむことがき、11月には将門マラソンに参加、12月はクリスマス会とほぼ予定通りの活動ができました。
また、ご家族との交流につきましても、時間や日程の協力をいただき随時面会、GW、お盆、お正月の帰省についても感染対策及び期間の協力をいただき新型コロナの発症もなく無事行うことができました。高齢利用者、あるいは基礎疾患を持つ利用者については令和4年度から引き続き重篤な疾患、手術等による数ヵ月に及ぶ長期入院の結果、自力歩行に多大な影響を受けており、その対応、回復といった介護、介助中心の支援となっています。
施設整備では強度行動障害による自傷的行為によるけがの防止対策として居室、廊下の壁、床の緩衝材設置工事を実施しました。また、高圧ケーブル、交流器、防災機器の経年劣化等による交換工事の実施による安全対策及び苑庭のアスファルト工事により通院等の車の乗り降り、各種納入、ゴミの回収業務において天候の影響を緩和することができるようになりました。
施設内研修については、嘱託医勉強会も予定通り2回実施できました。しかし、残念なことに18年間利用者の個々の疾病、各種申請、職員に対する感染対策、精神薬の基礎知識等の研修に尽力をいただいた嘱託医片野医師が本年度をもっての退職により終了となりましたが、令和6年度から同じ所属病院の北医師に引継ぎをしていただきました。
施設外研修についても、半分はオンラインであったが、集合型も始まり対面での受講ができました。また、虐待・身体拘束、感染症等に関する研修及び委員会についても規定通り実施いたしました。本年度から利用者支援のグループ編成を見直し、活動内容の立案については半年ごと男女各一名のリーダーを配置実行することにより、職員の支援スキルの向上を図ることができました。
令和4年度
令和4年度は7月に桐木ケアホームでの新型コロナ感染が確認され、利用者2名職員3名の感染に及んだ。
利用者1名は重症であったため医療機関の受診と治療を受けた。また、職員3名の内1名は入院、1名はホテル療養となった。1名は軽症であったので、感染利用者のケアに努めた。
また、本体施設からの給食、人員応援等もあり、約2週間で感染拡大することもなく乗り切ることができた。
めふきの苑においても、行動の自粛を含むできる限りの感染対策の実施と半数以上の利用者、職員が5回目のワクチン接種を終えていたにもかかわらず、12月から1月にかけクラスターが発生してしまった。
利用者30名、職員13名の感染となり、収束までほぼ1か月を要した。
12月半ばから正月明けまでの2週間は非感染職員10名を中心に対応に努めた。幸いなことに、ワクチン接種の有無にかかわらず利用者、職員とも重篤な症状に陥ることはなかった。
居住空間と活動空間が区別できにくい障害者施設においての集団感染では、6日間でほぼ全ての入所者が感染してしまい罹患者と非罹患者を分け施設内の感染拡大防止を図るゾーニングは機能しないことが実証された結果となった。
ただ、収束までの1か月間で施設内感染時における利用者ケアに必要な感染防止用品の準備、食事等の提供を含む職員の支援スキルが増したことが収穫であった。
新型コロナの影響のもと限定された活動であったが、コロナ禍を見据えた事業計画のとおり春はお花見祭りで花見弁当や屋台を楽しみ、6月には春のスポーツ大会、8月は納涼祭、11月は芋煮と運動会を兼ねた秋祭り、12月にはクリスマス会など四季を通じてイベントを楽しむことができた。年明けには商品券を活用した外食を2度することができた。
前年度と同様に桐木ケアホーム職員との連携のもとに実施しているおやつ作りや刺し子教室も利用者に浸透して、活動日を待ちわびる状態です。また、昼食を兼ねた調理実習も利用者の要望に応えながら楽しむことだできた。
施設内の環境整備については、2階居住棟の女子洗面所の改修工事、相談室、第一、第二作業室の収納設備を含む改修工事を実施した。これらにより利用者の活動場所の使い勝手が向上した。
屋外活動は散歩中心であったが、ほぼ毎日行うことができた。月1回の幸神平公園ランニングについても、天候の影響があり、途切れ途切れであったが実施できた。
めふき職員と桐木ケアホーム職員が合同で実施している農作業は、農業班の全員が草取りを基本に自主的に作業を始めることができている。また、栽培した野菜も大型店の地場生産者売り場で販売し工賃を支払うことができている。
令和3年度
令和3年度事業報告(概要)
令和3年度は2年度に続き新型コロナ感染防止対策に追われる一年であった。
具体的には、3回のワクチン接種の他、感染拡大の度に行われた2度のPCR検査、数回の抗原検査の手配と調整であった。
居住空間と活動空間が区別できにくい障害者施設においての集団感染では、2,3日間で全ての入所者が感染してしまい罹患者と非罹患者を分け施設内の感染拡大防止を図るゾーニングは機能しなかったとの情報もあった。
めふきの苑も同様な施設のため、ひとたび感染が始まれば止めることは極めて困難であることが想像できたため、ウイルスを持ち込まないことに重点を置いた感染防止対策を実施した。
そのため利用者をはじめそのご家族及び職員のご家族までに、大きな負担を強いてしまうことになってしまった。
利用者及びご家族にとっての帰省の取りやめ、面会の自粛は双方にとって貴重な時間の喪失で取り返しのつかないものであり心が痛むものであった。同時に利用者の社会活動の機会を奪うものでもあり無念の一言に尽きるものでもあった。
各種イベント等の社会活動参加の代替はできないが、日々の活動、娯楽に力を入れ、テイクアウトお弁当やカラオケ、夏祭り、スポーツ大会、クリスマス会、芋煮会など苑内でできるイベントを充実させ、日々を楽しく過ごすことに力を注いだ。
桐木ケアホーム職員との連携のもとに実施しているおやつ作りや刺し子教室も利用者に浸透して、活動日を待ちわびる状態となっている。
また、昼食を兼ねた調理実習も利用者の要望に応えながら楽しんでいる。
施設内の環境整備については、駐車場の全面改修及びアスファルト工事の他、充分な感染防止対策及び安全対策を施し、2階管理棟の男女洗面、トイレの改修工事、1階居住棟女子洗面所の改修と失禁等に対応した汚物処理専用洗濯乾燥設備を導入した。更に一部にリネン類及び感染対策用品の保管場所を設置した。
これらの工事により苑内のほぼ全ての洗面、手洗い水栓が自動となるなど、感染予防対応対策の充実を図ることができた。
月1回の幸神平公園、菅生沼ランニングについても、数少ない外出と走行後のジュースを楽しみに張り切っている。
めふき職員と桐木ケアホーム職員が合同で実施している農作業は、農業班の全員が草取りを基本に自主的に作業を始めることができている。
また、栽培した野菜の洗い、袋詰めなどの出荷準備も板につき順調に売り上げが伸び、継続して工賃を支払うことができた。
工賃を活用した軽外食は新型コロナ感染拡大により今年度も実施することはできなかったが、作業の合間の茶菓休憩や夏野菜を活用した手作りピザ焼昼食会をすることができるなど、作業と楽しみの両立を図ることができた。
音楽教室、絵画教室も新型コロナ蔓延防止措置の影響により、講師の受入れは途切れ途切れではあったが、職員主体での実施により乗り切ることができた。
毎日の洗濯物仕分け作業、不定期ではあるが段ボール加工等の軽作業についても、作業工賃の獲得を楽しみに取り組むことができた。
今年度もコロナ禍の下でも、嘱託医勉強会、心身協等の強度行動障害養成者研修をはじめ各種研修等についてもズームを利用したオンライン研修によって、利用者の特性を踏まえた支援スキルの獲得を継続している。
特に施設内研修ではパワーポイントを使用して、職員同士が講師と受講者となり研修を実施することにより、研修の充実のみならず、オンライン研修技術の向上を目指した。
資格取得の奨励についても、今年度は介護福祉士、精神保健福祉士試験の合格者が生まれ、桐木ケアホームと合わせて社会福祉士4名、介護福祉士13名、精神保健福祉士1名となりました。この資格が利用者支援に生かされるよう取り組みます。
まだ、新型コロナによる影響は多大なものではあるが、工夫を凝らし利用者活動を停滞させることがないような施策を考え、むしろこのコロナ禍を逆手にとって、様々な試みにより、利用者の生活の向上と安全を図っていきたい。(板垣)
令和2年度
1.運営概要(総括)
(1)予算の執行
本年度の施設整備については居住棟男女利用者トイレの改修工事及び居住棟の塗装、建具交換工事もほぼ予定通り実施することができました。
経年劣化した自火報の受信機、PCサーバー等IT機器の交換工事と支援ソフトライセンス契約の更新も実施することができました。
令和2年度は茨城県内の福祉サービス事業所の利用者、家族、職員の感染に及んだ千葉県の障害者施設での新型コロナウイルスの感染拡大に始まり、鹿行、県南、県西を中心に全県に感染拡大していきました。
障害者施設では、一人の職員から持ち込まれたウイルスは感染防止対策が充分に取れない利用者の特性と重なり、短期間にほぼ全員の利用者に広まるなど、対応の難しさを知らされました。
このことから持ち込まない対策、持ち込まれた場合の感染拡大防止対応等、様々な対応策を検討実施してきました。
上半期はマスク、消毒液、手袋、ファイスシールド、ガウンなどの感染防止に係る備品の調達、感染患者発生を想定した施設内対応シュミレーションの実施及びマニュアルの策定に追われながら、日々の手洗い、清掃消毒作業の徹底を図ってきました。 同時に来訪者の検温、手指消毒、職員の日々の検温、行動履歴の記録などの万が一に備えた感染対策を実施してきました。
利用者及びご家族に対する帰省、外泊、面会の自粛協力は家族との団らんの機会を奪う心を痛むものではありましたが、万全を期すことで、今なお続いている取り組みです。
下半期にかけて、職員に対しては市内の障害者施設で発生した70名を超える集団感染及び緊急事態宣言地域指定等を鑑み、県を跨いだ移動などの更なる自粛を求めてまいりました。
近隣市町村の感染状況をみて、面会の実施、外部講師の受け入れなどを適宜決めて、利用者活動に支障がないようにしてまいりましたが、利用者が受けた影響は決して少ないものではありませんでした。
楽しみにしていた、ゆうあいスポーツ大会、遠足、将門マラソン、ナイスハートフェスティバル、イエローフレンズ展など多くのイベントの参加活動が取りやめとなり、残念な一年となりました。
施設外活動の縮小はあったが、施設内での夏祭り、テイクアウト弁当お楽しみ会、クリスマス会、苑内マラソン大会など、できる限り感染リスクを回避した活動を心がけ、楽しんできました。
施設内の環境整備については、トイレ等衛生環境改善改修を主体に充分な新型コロナ対策を施し、利用者の日常生活への影響を最小限に留め、安全に配慮したきめの細かい作業工程を組み実施してきました。
桐木ケアホーム職員との連携のもとに実施しているおやつ作りや刺し子教室も利用者に浸透して、活動日を待ちわびる状態です。本年度からは昼食を兼ねた調理実習も取り入れ活動の幅も広がりました。
めふき職員と桐木ケアホーム職員が合同で実施している農作業は、3年目となり今では集合時間前に集まり自主的に作業を始めることができています。
また、栽培した野菜の委託販売も順調に売り上げが伸び、工賃を支払うことができています。
工賃を活用した軽外食は新型コロナ感染拡大により実施することはできませんでしたが、作業の合間の茶菓休憩に活用することができ、作業の活性化にもつながっています。
コロナ禍の下でも、嘱託医勉強会、心身協等の強度行動障害養成者研修をはじめ各種研修等についてもズームを利用したオンライン研修によって、利用者の特性を踏まえた支援スキルの獲得を継続しております。
資格取得の奨励についても、今年度2名の介護福祉士試験合格者が生まれ、桐木ケアホームと合わせて社会福祉士4名、介護福祉士11名となり、この資格が利用者支援に生かされるよう、取り組んでいくつもりです。
結局年度末になっても感染は縮小することもなく、むしろ拡大をしている状況です。
一日も早いワクチン接種により、感染リスクの軽減が図られることを願い、ご家族のご協力を得ながら、少しでも楽しく生活できるよう職員一同知恵を絞っていきたいと考えております。
平成31年度
平成30年度事業報告(概要)
平成31年度も重篤な疾病による入院があり、ご家族、医療機関との連携対応が重要な支援となりました。
また、精神疾病による不穏・不眠及び加齢による身体機能の衰えが歩行や排せつに影響を及ぼすようになり、夜間の介護・介助が欠かせないものとなりました。
同時に介護・介助を受ける利用者の人権が損なわれることの無い適切な支援を求められました。
特に行動障害を持つ利用者に対しての支援には、専門的な知識と技術が必須のものとなっています。
平成28年度から県の強度行動障害基礎研修、実践研修を受講することにより、強度行動障害の理解と支援知識・技術の獲得と向上に努めてきました。
今年度末で15名の強度行動障害基礎研修修了者と3名の実践研修修了者となりました。
実践研修修了者のうち1名は県研修の講師として重要な役割を担っています。
外部講師を招き実施している絵画教室は展覧会場の改修工事のためイエローフレンズ展での作品発表できませんでしたが、活動も定着し多くの作品を残すことができました。
音楽家による月2回の音楽教室はクリスマス会での合奏として成果を披露できました。ご高齢の利用者を中心としたノルディックウォーキングはインストラクターの在、不在に関らず続けることができました。
しずかの創造苑、丸太利用者の参加により、活動内容もより充実し活発となりました。
今年度から始まった土曜日のダンス教室も好評で、多くの利用者が活動を楽しみにするようになっています。
しかしながら、新型コロナウイルスの感染防止対策として、2月から外部講師の参加自粛をお願いしております。
再開の目途が立たないまま新年度に入っておりますが、外部講師不在でも、各担当職員を中心に活動継続をしています。
桐木ケアホーム職員との連携のもとに実施しているおやつ作りや刺し子教室も利用者に浸透して、活動日を待ちわびる状態です。今では利用者の心の安定と楽しみのひとつとしての貴重な活動となっています。
めふき職員と桐木ケアホーム職員が合同で実施している農作業は、作業になかなか集中できなかった利用者も今ではすっかり定着し、草取りや収穫など一年間を通じて活動できました。
また、栽培した野菜の委託販売のための納品の機会を活用して、工賃を活用した軽外食を実施することにより、社会経験の拡大に結びつけることができています。
茨城国体開催のためゆうあいピックは中止となりましたが、将門マラソン、坂東市の障害福祉サービス利用者との交流カラオケなど、イベント交流活動は積極的に参加をしました。
遠足、夏祭り、クリスマス会及び桐木ケアホームとの1泊旅行等の行事も予定通り実施できました。
新年早々に発症したインフルエンザは1週間にも満たない状態で急速に広まりましたが、保健所、嘱託医の指導によりタミフルの予防服薬を実施し、重篤者を出すことなく短期間で終息を迎えることができました。
施設整備においても、旧浴室の大幅改修工事により、最新のトイレ、洗面施設を備え、失禁対応の専用シャワールームを整えることができ、利用者の生活環境の改善に繋げることができました。
しかしながら、年度末に世界レベルで発症した新型コロナウイルスの脅威は確実に障害者施設の活動にも影響をもたらしています。今後は活動のみならず、利用者、ご家族、職員の生活、生命にも影響を及ぼすことが懸念されています。いまだ対応策が見つからない状態が続いています。
平成30年度
平成30年度事業報告(概要)
平成30年度も6名341日にも及ぶ入院があり、ご家族、医療機関との連携対応が重要な支援となりました。
また、精神疾病による不穏・不眠及び加齢による身体機能の衰えが歩行や排せつに影響を及ぼすようになり、夜間の介護・介助が欠かせないものとなりました。同時に介護・介助を受ける利用者の人権が損なわれることの無い適切な支援を求められました。
特に行動障害を持つ利用者に対しての支援には、専門的な知識と技術が必須のものとなっています。
平成28年度から県の強度行動障害基礎研修、実践研修を受講することにより、強度行動障害の理解と支援知識・技術の獲得と向上に努めてきました。今年度末で13名の強度行動障害基礎研修修了者と2名の実践研修修了者となりました。
実践研修修了者のうち1名が国の強度障害者指導者研修を受講して、県研修の講師として役割を担っています。
外部講師を招き実施している絵画教室はイエローフレンズ展での作品発表、音楽家による月2回の音楽教室はクリスマス会での合奏として成果を披露できました。ご高齢の利用者を中心としたノルディックウォーキングにより、歩くことによる健康増進の取組ができました。
年度途中からのしずかの創造苑、丸太利用者の参加が始まり、活動内容がより活発となりました。
桐木ケアホーム職員との連携のもとに実施したおやつ作りや刺し子教室も利用者に浸透して、活動日を待ちわびる状態でした。今では利用者の心の安定と楽しみのひとつとしての貴重な活動となっています。
めふき職員と桐木ケアホーム職員が合同で実施した農作業は、作業になかなか集中できなかった利用者3、4名が中心となり、草取りや収穫など一年間を通じて活動できました。また、栽培した野菜の委託販売のための納品が一番の楽しみとなり、収穫と納品だけ参加する利用者もいました。
坂東桜まつり、ゆうあいピック、将門マラソン、坂東市の障害福祉サービス利用者との交流カラオケなど、イベント交流活動は積極的に参加をしました。遠足、夏祭り、クリスマス会及び桐木ケアホームとの1泊旅行等の行事も予定通り実施できました。
将門マラソンにはめふきの苑から10Kmに2名、5Kmに3名、桐木ケアホームから2名の参加ができました。めふきの苑1名、桐木ケアホーム1名は初参加でしたが、数カ月にわたる職員、利用者の地道な練習により、思った以上の好記録で全員が完走できました。
1月から2月半ばまで日替わりでの発熱が続き、数名のインフルエンザ発症があり、通院対応に追われました。
利用者の欠員補充については、短期入所を活用して6名の方の定着支援を実施した結果、平成31年1月から1名、4月から2名の入所が決まり、予定通りの補充ができました。
桐木ケアホームについても、2名の体験入所を通じて1名の入所が決まりました。
施設整備においても、非常用発電機の取換に伴うキュピクル、貯水槽、グリストラップの土間及びフェンス工事により、安全でフラットな避難通路が確保でき、災害時の利用者の安全対策が充実しました。 (板垣)
めふきの苑
平成29年度
平成29年度も昨年、一昨年と続いて利用者の疾病対応が支援の重要な点となった。一年間で7名294日にも及ぶ入院があった。
疾病以外にも、加齢による身体機能の衰えが歩行や排せつに影響を及ぼすようになったた。そのため、昼間の活動支援だけではなく、夜間の介護・介助が欠かせないものとなった。
また、行動障害を持つ利用者に対しての専門的支援のニーズも高まり、男性職員の全員が県の強度行動障害基礎研修を受講し、強度行動障害を持つ利用者に対する理解と知識を高め、支援スキルの向上を図った。
行動障害や加齢による拘り、或いは集団生活の中で満たされない利用者の心模様が引き起こす利用者間の諍い対応のため、グループホームの体験利用を活用して、家庭的な雰囲気を味わうことにより心の安定を図り、生活に楽しみと潤いを持てるよう支援した。
同時に将来のグループホーム移行に向けたトレーニングを実施した。
毎週水曜日に外部講師を招き実施している絵画教室の他、新たにプロの音楽家による月2回程度の音楽教室、ご高齢の利用者を中心としたノルディックウォーキングを実施し、歩くことによる健康増進を図った。
いずれも外部講師であり、生活すべてを支援している職員とは違い新鮮な出会いとなっている。
坂東桜まつり、ゆうあいピック、将門マラソン、坂東市の障害福祉サービス利用者との交流カラオケなどイベント交流活動は積極的に参加をした。
遠足、夏祭り、運動会、クリスマス会等の行事も予定通り実施できた。特に運動会では、多くのご家族に参加いただき楽しいひと時を過ごすことができた。
年明けにはインフルエンザ、ノロウイルスの発症があり、特にノロウイルスにより1ヶ月間給食業務が行えず、朝食の菓子パン、昼、夕食の仕出し弁当対応 となり、不便を強いてしまった。
この感染症を契機に2名の利用者が体調を崩し、長期入院となっている。
職員補充については、年度内に1名、次年度に新卒1名、現職経験者1名が内定している。
桐木ケアホームについては、サービス管理責任者の急逝によりサービス管理責任者不在となったが、サービス管理責任者資格保持退職職員の再採用ができ、入居利用者ご本人及びご家族も戸惑うことなく引き継ぐことができた。
同時に支援員1名も追加採用ができ、入居者の休日支援を充実することができた。また、念願の1泊旅行についても、めふきから2名の利用者を迎え合計7名で実施できた。
めふきの苑との連携支援についてもケアホームの建物を活用した入浴、おやつつくり、めふきの畑を活用した農作業も開始できた。
施設整備については、完成が遅れていた浴室棟の増築工事も完了した。利用者の高齢化に備えた広い脱衣場、介護浴槽の完備した快適な浴室の提供ができた。業務用の洗濯機、乾燥機を備え、天候に左右されることなく清潔な衣類の提供ができるようになった。同時に職員業務の軽減も図ることができた。(板垣)
平成28年度
平成28年度は昨年度からの利用者のケガや疾病による深刻な事態が続き、治療と介護支援に終始した一年であった。
同時に加齢による身体機能の衰え、行動障害の進行、夜間の徘徊、深刻な不眠、不穏症状を抱える利用者が増えてきたことにより、共に生活する利用者にとっては無論のこと、対応する職員にとっても過酷な日々となってきている。
特に行動障害を持つ利用者に対しては、県の強度行動障害基礎研修に3名、実践研修に1名が参加して、強度行動障害利用者に対する理解と知識獲得及び支援スキルの向上を図ってきた。しかしながら障害の特性は多様で、施設という限られた空間の中ではなかなか難しく、障害の緩和には至ってないのが現状である。
日中活動における内職作業はまずまずの参加者であるが、農作業については、身体の衰え等により継続の危機に瀕している。
毎週水曜日に外部講師を招き実施している絵画教室は参加者も多く好評である。
改めて、絵画という自由な活動の魅力もさることながら、多くの利用者が外部の方との出会いを求めていることを感じた。
坂東桜まつり、ゆうあいピック、合同キャンプ、将門マラソン、坂東市の障害福祉サービス利用者との交流カラオケなどイベント交流活動は積極的に参加をした。
遠足、夏祭り、運動会、クリスマス会等の行事も予定通り実施できた。特に運動会では、多くのご家族に参加いただき楽しいひと時を過ごすことができた。
職員補充については、ハローワーク、折り込み求人広告といった職員募集を行ったがうまく行かず、数少ない応募者についても育成する前に退職するといった状態が続いている。特に女子職員については応募すらない状態である。
引き続き求人活動を実施していくが、金銭待遇だけではなく環境を含め働く人にとって魅力ある職場づくりを事業所全体で取り組んでいく必要がある。
桐木ケアホームも4年目となり、ごみ集め、廃品回収等地域活動参加の機会も増えた。
世話人として近隣在住者の雇用も定着し、地域での認知、交流・協力も確実に増え、安定した運営ができている。
しかしながら、1泊旅行の実施や本体施設めふきの苑との連携は行事や防災訓練に留まり、相互施設利用は殆んどできず来年度の課題となった。(板垣)
平成27年度
平成27年度は前年度から継続している虐待防止の取組を実施した。朝礼時における職員行動規範の読み合わせ、虐待防止のアンケートの実施、法人役員による研修、外部講師を招いての勉強会、理事長によるヒヤリングと虐待防止に関する誓約等、利用者への虐待防止と積極的な人権擁護についてのあらゆる取組を実施した。
しかしながら、職員各々の認識度合いには温度差があり、利用者の権利擁護に主点を置いた支援の確立までには至らなかった。職員間の連携、新人職員の育成、定着についても、一致した見解と実行を行うことができなかった。
結果として、職員の退職等の異動が激しい一年であった。同時に職員採用と育成の重要性と難しさを痛感することになった。
給食部門についても、慢性的な職員不足により業務外部委託を余儀なくされた。このことに伴う労務処理が生じた。
外部委託に伴い、厨房設備の整備が求められ、機器の交換、新設購入を実施した。また業務の移管についても、年度いっぱいの時間を要した。
11月には虐待防止の取組を含む特別監査としての一般実地検査が実施された。大きな指摘はなかったが、当施設で作成した「虐待防止マニュアル」に基づき、勉強会等を通じて、引き続き職員全員の障害者虐待防止法に関する理解と危機管理意識の向上に努めることとの留意事項があった。
本年度は利用者の高齢化、或いは行動障害による重篤な怪我、疾病等が重なり、ご家族、医療、行政との連携のもとの対応が継続している。
ひとつひとつの対応が深刻かつ慎重を要するものであり、利用者、ご家族の意向を主点においた対応を心がけている。
重度高齢化による行動障害、疾病、ケガ等により農作業等の身体活動を伴う生産活動は大きく制限されることになった。
室内でできる比較的簡易な生産活動を充実させることにより、利用者の日常生活の実施の安定を図っている。
ゆうあいピック、合同キャンプ、将門マラソン、福祉まつり参加、坂東市の障害福祉サービス利用者との交流カラオケなどの地域交流活動はできる限り参加実施した。
遠足、夏祭り、運動会、クリスマス会等の行事も予定通り実施できた。特に運動会では、多くのご家族に参加いただき、利用者支援を含めた施設運営への理解と協力が深まった。
AED救命救急講習、新任職員の介護初任者研修、介護福祉士実務研修等など、利用者の高齢化に備えた、職員のスキルアップにも積極的に取り組むことができ、2名の介護福祉士資格取得を果たすことができた。資格取得はキャリアへの入り口であり、資格に恥じない福祉知識とスキルを身に付けることが重要であり、新任職員の育成に必要不可欠であることを認識してもらいたい。
桐木ケアホームも3年目となり、ごみ集め、廃品回収等地域活動参加の機会も増えた。
利用者1名が増え、5名となった。世話人として近隣在住者の雇用も定着し、地域での認知、交流・協力も確実に増え、安定した運営ができている。(板垣)
平成26年度
平成26年度上半期は平成25年度に引き続き関東ブロック障害施設職員研究茨城大会の障害者支援施設第二分科会(入所施設の重度高齢化に向けた取組み)の責任施設として発表開催及び終了報告に向け関係施設、機関との調整に追われた。肝硬変による食道静脈瘤という深刻な疾患を抱えながらも、本人、ご家族、職員、医療機関と連携のもと生活してきた利用者がご兄弟との外食中に吐血し帰らぬ人となった等、重度高齢化の中で入所施設が避けられない現実として、今後も対応しなければならない利用者の死という問題に直面する出来事であった。
通所生活介護重度利用者に対するケアについては、医療機関、ご家族と連携を取りながら、褥瘡、誤嚥対応等細心の注意を払い支援してきたが、在宅中に誤嚥のため帰らぬ人となった。改めて医療介護を含む支援を必要とする重度障害者に対する支援介護連携の難しさを感じた。
一方利用者活動は例年どおり内職、農作業等の生産活動を実施した。ゆうあいピック、合同キャンプ、将門マラソン、福祉まつり参加、坂東市の障害福祉サービス利用者との交流カラオケ、ボウリングなどの活動も実施した。
遠足、夏祭り、運動会、クリスマス会等の行事も予定通り実施できた。特に運動会では、多くのご家族に参加いただき、利用者支援を含めた施設運営への理解と協力が深まった。
AED救命救急講習、新任職員の介護初任者研修、介護福祉士実務研修等など、利用者の高齢化に備えた、職員のスキルアップにも積極的に取り組むことができ、6名の介護福祉士資格取得を果たすことができた。資格取得はキャリアへの入り口であり、資格に恥じない福祉知識とスキルを身に付けることが重要であり、新任職員の育成に必要不可欠であることを認識したい。
ケアホームも2年目となり、ごみ集め、廃品回収等地域活動参加の機会も増えた。
世話人として近隣在住者の雇用も定着し、地域での認知、交流・協力も確実に増えている。
新たに体験入所利用者も増え、継続的な利用に向けた試みをしている。(板垣)